振袖のお手入れ Care Furisode
振り袖を着た日は、ヘアメイクや着付けなどで早起きしたり、着慣れていないと歩き方に気を遣ったりして疲れたりするものですよね。
帰宅したらすぐに振袖を脱いで、普段着でのんびりしたいと思う方も多いことでしょう。
そこで一息ついたら次に着るときのために少しだけ時間をとって、振袖をいたわる気持ちで汚れ等をチェックしてあげてほしいと思います。
ここでは振袖や着物を着た後にご自宅でチェックしたいポイントと、着物を長持ちさせるために保管方法などを解説していきたいと思います。
脱いだらまず汚れ&シミがないかチェックしたいポイント
・【衿まわり】汗じみ・ファンデーション汚れ
・【前見頃】飲食物のしみ・汚れ
・【袖口】皮脂汚れ・汗じみ・ほこりの付着
・【裾】ほこりの付着・泥はね
【衿まわり】汗じみ・ファンデーション汚れ
振袖の襟は高さがあるため、特にファンデーション汚れがつきやすいポイントです。ファンデーション汚れをみつけると、とっさにウエットティッシュ等で擦ってしまったりしがちですが、絶対にやめましょう。アルコールや除菌成分のある化学薬品が含まれていると、逆に汚れが定着してしまったり、汗と相まって生地が変色する原因になることもあります。
【前見頃】飲食物のしみ・汚れ
振袖などの着物は重ね着が基本かつ生地がしっかりしているため、胸元や帯に飲食物をこぼしても少量なら気づけないことがあります。特に飲料は色によっては乾くとほぼ見えなくなることもあるでしょう。特に日本酒やビールなどの糖分を含むお酒は、付着してから半年ほどで変色してくる可能性が高いです。着物にこぼしていないか、お化粧直しのついでにチェックしたり、脱いでハンガーにかける際によくチェックしたりしましょう。
【袖口】皮脂汚れ・汗じみ・ほこりの付着
普段着の洋服とは違い、振袖は長く袖口も大きいため、気づかないうちに汚れしてまうことがあります。また手首と擦れ合うため汗や皮脂汚れにも注意したいポイントです。特に汗に含まれる成分(尿素・塩分)は空気中の湿気を引き寄せる性質があるため、意外にシミが大きくなりやすいため、しっかりチェックしましょう。
【裾】ほこりの付着・泥はね裾のほこり汚れ
振袖に限らず着物の裾は、地面に近いぶん土埃や泥はねで汚れやすいポイントです。特に泥汚れは慌ててすぐに拭ったり、おしぼり等で叩いたりしてしまいがちです。しかし乾かないまま擦ったりすると、汚れが繊維の奥に入って落ちにくくなりますので、絶対にやめましょう。
代表的な汚れ別の応急処置とお手入れの仕方
さて振袖を脱いでひと通りチェックしたところで、汚れを発見した場合は、どのように対処するかを説明していきましょう。しかし汚れがひどい場合や、自分でやるのは不安だという場合はなるべく早く専門店に依頼するのがいいでしょう。
ファンデーション汚れの対処法
ファンデーションには油分が含まれており、汗で落ちにくいものは水分をはじくため、固く絞ったタオルなどで叩いても汚れが落ちません。そこでファンデーション汚れにはシミ抜き用のベンジンがよく使われます。ベンジンをガーゼに含ませ、汚れた箇所を軽く叩くように汚れをガーゼに移していきます。このとき常にカーゼの白い面で叩くよう気をつけましょう。汚れが取れてきたら、汚れの境目をぼかすように叩いたあと乾かして完了です。まだ汚れが目立つようなら、素直にプロの手を借りましょう。
汗じみの対処法
ひと目で分かるほど汗でしみになっている場合は、専門店にしみ抜きを依頼するのが無難です。まだしみになっていないものの、たくさん汗が染み込んだと思われる箇所は、霧吹きで軽く濡らし、すぐに乾いたタオルで叩いて水分をとります。濡らしすぎると生地が縮むことがあるため、水の吹き過ぎに注意しましょう。最後に風通しのいい場所で陰干しします。
飲食物のしみ・皮脂汚れ対処法
ジュースやお酒の水性の汚れは、まず汚れた箇所の下に汚れを移すための布を敷きます。そして15倍ほどに希釈した中性洗剤をガーゼや柔らかめの歯ブラシに含ませて、擦らず叩くように汚れを下の布に移します。ソースなどの油性の汚れは、先述のファンデーション汚れと同様に対処します。皮脂汚れも油性の部類にあたります。
汚れが水性なのか油性なのか判断がつかない場合や、汚れがひどい場合はすぐに専門店に依頼するのが無難です。
泥はね・ほこりの付着の対処法
ほこりは振袖を脱いでハンガーにかけて、着物用やカシミヤ用のブラシでブラッシングして落とすようにしましょう。泥はねは乾く前に擦ると繊維の間に汚れが入り込んでしまうため、乾いたあとにブラッシングするようにしましょう。
振袖を長持ちさせて将来自分の子供に残すために
ここまで振袖を着たあとのチェックポイントと、応急処置を解説してきましたが、どれもあくまで応急処置という程度のものです。振袖や着物についた汚れやしみを放置すると、汚れが酸化して3~7年で必ずといっていいほど変色してきます。次に着用するまで期間があったり、未定の場合は専門店に着物を見せて、必要に応じてクリーニングやしみ抜きを依頼するようにしましょう。クリーニング技術も日々進歩していますので、取れないと思って諦めていた汚れでも、一度相談してみるといいでしょう。
振袖や着物に限らず、衣服の汚れへの対処はなるべく早くが鉄則です。そうして大切にお手入れしておけば、自分の振袖をきれいなままお子様に残すこともできます。そのためにも着用後はすぐハンガーにかけて、汚れやシミのチェックをお忘れなく。
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